※アイキャッチ画像は”Kalen Walker公式YouTubeチャンネル”より
皆さんこんにちは、トンプソンです!
皆さんはスポーツをやっていて、もしくは観戦していて一度は聞いたことある事があると思います、それは、
「プロ野球選手で50m5秒台」
「50mまでだったら、100mの世界記録保持者であるボルトより速い!」
「アメフト選手は陸上選手より足が速い」
このような、スポーツを超えた足の速さを競う論争です。
これに対して、陸上競技関係者は、、
「いや、50m5秒台って、ストップウォッチで手動で測った非公式タイムだろ!!」
「ちゃんと電動で、陸上の大会と同じ条件で走ったら陸上選手に勝てるはずがない!!」
と、陸上競技の威信を守ろうとしますよね!(陸上競技者の私もそうです笑)
実際、この論争は日本だけでなく、陸上大国アメリカでもよく取り上げられている話題です。
しかし、今回はそんな陸上界の威信をかけて、アメフト界に挑んだ男、
カレン・ウォーカー(Kalen Walker)選手について紹介したいと思います!
2024年10月26日、アメリカンフットボールのハーフタイムショーで、40ヤード走にチャレンジしたウォーカー選手は、アメフト界を驚かせる結果を出しました!
プロフィール
●名前:カレン・ウォーカー(Kalen Walker)
●国籍:アメリカ
●生年月日:2001年10月13日生まれ
●身長:176cm
●自己ベスト:100m=9秒94、60m(室内)=6秒51
●主な実績:2024年全米学生室内選手権60m2位🥈、2024年全米選手権男子100m準決勝出場
これまでのキャリア
ウォーカー選手は2024年現在では、アメリカのアイオワ大学に在籍しており、陸上競技部に所属をしています。
同大学は、アメリカNCAA(アメリカの学生スポーツ協会的なもの)のDivision 1(日本のインカレで言う1部という意味)に所属をしている大学で、レスリングやアメリカンフットボール部の活躍が目立ちますが、陸上競技は全米一の強豪というレベルではありません。
しかし、陸上部自体は1900年から約120年以上続く歴史ある部で、過去には何人もの全米学生チャンピオン・オリンピアンを輩出しており、男子400mで44秒15の自己ベストを持ち、1996年アトランタアトランタオリンピック男子4x400mリレーの金メダリストである、アントアン・メイバンク選手も同大学の陸上競技部出身です。
そんな大学に在籍しているウォーカー選手ですが、男子100mと60mの大学記録保持者でもあります。
ウォーカー選手の生い立ちを調べたところ、幼少期の情報は出てきませんでしたが、少なくとも彼は高校時代から陸上競技を始めていました。
2021年
2021年に、ウォーカー選手はインディアンヒルズ・コミュニティカレッジという、日本で言う専門学校のような形態の大学に進学し陸上競技を続けることになります。
この学校の3年上の先輩には、2024年パリオリンピック男子200mで銀メダルを獲得した、アメリカ代表のケニー・ベドナレク選手がいます!!(コミュニティカレッジ界では陸上の強豪校なのかもしれません)
この年のウォーカー選手の100m自己ベストは10秒65と、決して全国レベルの選手ではありませんでした。
同年の秋、ウォーカー選手は現在所属しているアイオワ大学に編入することになります。
※アメリカの大学生は、スポーツを続ける環境が合わなかったり、大学のコーチからスカウトを受けることがあれば大学を転校することがよくあります。
同大学に進学してから彼は徐々に成長していくことになるのです!
2022年
2022年、ウォーカー選手は全米学生室内選手権の男子60に出場し、決勝の8人には残れなかったものの、全体の13位という結果を残しました。しかもこの時出した記録の6秒61は、当時の大学記録でした。
入学して2年目で早くも結果を残し始めます。
さらに、同年の屋外シーズン。彼はBaldy Castillo招待という大会に、100mで出場し当時の大学記録である10秒20を記録します。
また別の大会で、男子4x100mリレーでも1走として出場したウォーカー選手は、39秒03の大学記録に貢献した走りを見せます!
2023年
2023年、ウォーカー選手はBIG10室内選手権というアイオワ大学が所属しているエリアの地区選手権(日本で言う、関東インカレとか関西インカレのようなもの)に男子60mで出場し、6秒71のシーズンベストをマークしましたが、この年の全米学生室内選手権には出場することができませんでした。
同年の屋外シーズン、ウォーカー選手はテキサスリレー選手権に男子100mで出場し10秒18の自己ベストをマーク! 成長を見せます。
2024年
2024年、ジャービススコットオープン大会で男子60mに出場したウォーカー選手は、大学新記録となる6秒51の自己ベストをマークします!!👏
※2024年10月現在の日本記録は、多田修平選手がマークした6秒52ですので、アメリカの1大学生が日本記録よりも速く走れてしまうというのは、なんだかアメリカの層の厚さを思い知らされることですね😅
さらに、その勢いは収まることを知らず、同年の全米学生室内選手権に男子60mに出場したウォーカー選手は、6秒59をマークし2位になりました👏
彼が初めて全米レベルの大会で表彰台に立った瞬間でした!
さらに彼は、屋外シーズンでも成長を見せます!
USF招待という大会に男子100mに出場したウォーカー選手は、10秒09という大学新記録をマークします!!!👏
2024年になり、一気に全米学生のトップレベルの仲間入りを果たしたウォーカー選手でした!!
しかし、シーズン中盤にアクシデントが起きます。
全米学生選手権の男子100mと4x100mリレーの出場資格があったウォーカー選手ですが、ハムストリングスの不調がきっかけとなり、全米学生選手権への出場を辞退することになってしまいました。
もし、この大会に出場していてウォーカー選手が自己ベストの10秒09で走れたとすれば、男子100mの決勝で8位に入れるレベルだったので、本人が一番悔やんでいたことでしょう。
同年6月に行われた、パリオリンピックの代表をかけた全米選手権では、怪我が回復して男子100mに出場しました。
予選で10秒23をマークして準決勝に進出、準決勝では10秒22をマークしましたが決勝には進めませんでした。
これにて彼の2024年シーズンは幕を閉じました。。。
2025年
2025年、ウォーカー選手は大学卒業してプロ選手になるかと思いきや、所属していたアイオワ大学の公式HPを見てみると、ウォーカー選手はFifth Year、つまり5年生になっていました。
アメリカの大学スポーツでは、怪我の影響などで1年間のシーズンを棒に振ってしまった選手の救済措置として、もう1年活躍できる「Redshirt(レッドシャツ)」制度等がありますが、ウォーカー選手の5年生の理由は明らかになっていません。
(医学部等の4年以上の単位が必要とされている学部を専攻してる可能性もあります。)
そんな中、ウォーカー選手は2025年4月にフロリダ大学で行われたTom Jones Invitational(トム・ジョーンズ招待)の男子100mに出場し、10秒06の自己ベスト及び大学記録を更新します!!
5月に行われたBIG 10選手権(アメリカ大学スポーツの地区大会)では、ウォーカー選手は100mを10秒17のタイムで走り見事優勝を果たします。
5月30日、ウォーカー選手はついに壁を破りました。
NCAAへの出場をかけたNCAA West Regional選手権で男子100mに出場したウォーカー選手は、なんと9秒94(追い風1.1m)の自己ベストを叩き出します!
追い風も味方し公認記録となりました!
NCAAの優勝や世界陸上東京大会に向けて大きく前進しました!
昨年のシーズンからさらに躍動しているウォーカー選手。
この先のNCAA(全米学生選手権)や世界陸上東京大会の出場をかけた全米選手権の活躍が期待されます!
40ヤード走で全米を驚かせた!?
2024年のシーズンが終了しましたが、ウォーカー選手は再び注目を集めることになります。
それは、
アメリカンフットボールのハーフタイムで40ヤード走を行う
というもの。
アメリカのスポーツで1、2を争う人気のアメリカンフットボールですが、前半24分が終了すると、15分の休憩時間があります。
アメフトのプロの世界では、有名な歌手などを招いて豪華にハーフタイムシューを行う事がありますが、今回ウォーカー選手が40ヤード走を行うことになったのは、ノースウェスタン大学 vs アイオワ大学のハーフタイムという事で豪華アーティストを呼ぶという事にはならなかったようですね。
しかし、アメリカンフットボールの試合中に、陸上選手がパフォーマンスを行うというのはなかなか面白い発想ですね!
日本では、異種のスポーツ同士が共演するという事はあまりありませんので。
今回行われる40ヤード(36.58m)走というのは、アメリカンフットボールのプロ選手になるためのトライアウト種目の1つになっております。陸上競技でも100年前くらいには100ヤード走というものが正式種目としてありましたが、国際的に「メートル」の単位が基準となったため、「ヤード走」はあまり行われておりません。
アメフトでは、今でも昔の単位が使われているのですね。
アメフトでも走るという行為がメインになるスポーツですので、当然足の速さは陸上選手と比較されることがあります。
例えば、下のこの動画は、アメフト界で最速の足を持つとされている、タイリーク・ヒル選手がもし2016年リオデジャネイロオリンピックの男子200mを走ったら何位になれるか?という動画です。
ヒル選手は、実は学生時代に陸上とアメフトの掛け持ちをしていて、100mは追い風参考ながら9秒98(正式な自己ベストは10秒19)、200mでは20秒14の記録を持ち、2012年世界ジュニア選手権の200mでなんと銅メダルを獲得した実力がある選手です。
この動画では、ヒル選手はオリンピックで6位に入れる実力があると言っていますね。
ちなみにこちらは、アメフト界の40ヤード走の歴代記録をまとめたものになります。

ウォーカー選手の40ヤード走の結果は、、、?
果たして、アメフト最速タイムである4秒21を上回り、陸上選手のほうが速く走れることを証明できるのか、、?
ウォーカー選手のYouTubeチャンネルで、当日の様子がまとめてあります。
なんと、7万人の観客が観戦しているではありませんか!!!
走った結果は、、、
なんと、4秒15!!!!!!!!👏
見事、陸上選手のほうが足が速い事を証明しました!!!!!
ちなみに、陸上選手って1回のレースで複数人で走ることが多いのですが、ウォーカー選手は7万人の視線を一気に集めることになり、その中で走れたので幸せだったと思います!
年次ベスト


60mの爆発力を生かして、そのままゴールまでフィニッシュする走りが特徴と見受けられます。
SNS
●Instagram
https://www.instagram.com/kalenwalker13?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==
●X(Twitter)
https://x.com/kalenwalker131
●YouTube
https://www.youtube.com/@kalenwalker13
まとめ
陸上界の威信を守ったウォーカー選手。
個人として世界大会出場の機会などはこれまでの所ありませんが、今後も練習次第ではその可能性があります。
しかし、アメリカの短距離界は非常にレベルが高く、リレーの控えメンバーに入るのもかなり厳しい世界。
ウォーカー選手は大学卒業後も陸上選手として活躍するのか、もしくは別の道を模索中なのかは分かりませんが、今回の40ヤード走で世界からの注目を集めることになったので、何かしらの活躍が期待されます。
現在は、ウォーカー選手の公式Instagramにて、ウォーカー選手監修のトレーニングプログラムを販売しているので気になる方はチェックしてみて下さい!
今後のウォーカー選手の活躍に期待しましょう!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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