皆さんこんにちは、トンプソンです!!
2021年東京オリンピックの男子4x100mリレーでは、いろいろな意味での驚きがありました。
1つは、金メダルを期待されていた開催国の日本が、1走の多田修平選手と2走の山縣亮太選手間のバトンパスに失敗し途中棄権となってしまったこと。
もう1つは、優勝候補のイギリス、カナダを抑えて伏兵であるイタリアが優勝したことです。
そんなイタリアチームを金メダルへと導いたアンカーが、今回紹介する、
フィリッポ・トルトゥ(Filippo Tortu)選手です。
若くして、100mのイタリア記録を破ったこの男の半生をご紹介したいと思います!
プロフィール
●本名:フィリッポ・トルトゥ(Filippo Tortu)
●国籍:イタリア
●生年月日:1998年6月15日生まれ
●身長:187cm
●体重:75kg
●自己ベスト:100m=9秒99、200m=20秒10
●主な実績:2021年東京オリンピック男子4x100mリレー金メダル🥇、2023年世界陸上ブダペスト大会男子4x100mリレー銅メダル🥉、2024年ヨーロッパ選手権ローマ大会男子200m銀メダル🥈
これまでのキャリア
イタリアのサーディニア島出身の父とロンバルディア出身の母の元、イタリアのミランで生まれ育ったトルトゥ選手、初めて陸上競技に触れたのは4歳の時でした。
しかし、幼少期は陸上競技とバスケットボールを掛け持ちしてスポーツを楽しんでいました。
2010年、2011年のトルトゥ選手が中学生1、2年生の時、地元ミランの大会で1位なってから、彼は陸上競技に専念することになります。
この選択が、彼を後に大きなものに導くきっかけとなるのです。
2014年にトルトゥ選手はユースオリンピックの国内選考会に出場し、男子200mで代表の権利を勝ち取ります。
迎えたヨーロッパユースオリンピック本番当日。
男子200mの予選に出場したトルトゥ選手、予選を21秒38の自己ベストで通過します。
しかし、ここでアクシデントが起きます。
ゴールした瞬間にトルトゥ選手は転んでしまい、転倒した勢いで両腕を骨折、決勝メンバー進出者にはなりましたが、決勝でトルトゥ選手の姿はありませんでした。
(この時優勝したのは、2024年パリオリンピック男子100mの金メダリストのノア・ライルズ選手でした。)
悲劇に見舞われたトルトゥ選手でしたが、翌年には復活を遂げます。
2015年にイタリアで行われた大会で、100m10秒33、200mでも20秒92のイタリアユース記録をマークし注目を集めます。
2016年には、100mで10秒24でイタリアジュニア記録を破り、成長を見せつけます。
この記録は34年ぶりにイタリアジュニア記録を破るという快挙となりました!
1か月後、ヨーロッパ選手権に100m代表として出場したトルトゥ選手は、予選で10秒19の自己ベストで走り、イタリアジュニア新記録をさらに更新しました!しかし、決勝には進出できませんでした。
また、男子4x100mリレーのアンカーとしても出場し、決勝で5位という結果を収めました。
同年、U20世界選手権(昔で言う世界ジュニア選手権)に出場したトルトゥ選手は、100mに出場し10秒24のタイムで見事銀メダルを獲得します!!
(この時の金メダリストは、またまたアメリカのノア・ライルズ選手でした)
また、4x100mリレーでも決勝で7位という結果を収めました。
2017年、世界陸上ロンドン大会に男子200mのイタリア代表として出場したトルトゥ選手、ついにシニア世界大会のイタリア代表となりましたが、20秒62のタイムで準決勝敗退に終わりました。
しかし、翌年の2018年には、トルトゥ選手のみならずイタリア陸上界にとっても素晴らしい偉業を達成することになるのです。
9秒台をマーク!
2018年6月、スペインのマドリードで開催されたグランプリレースに出場したトルトゥ選手。(以下の動画をご覧ください☟)
なんと、9秒99の自己ベスト及びイタリア新記録をマークします!!!👏
動画の5分47秒あたりを見ると、トルトゥ選手の関係者と大喜びする姿があったことから、本当にうれしい出来事だったことが分かりますね!
(日本でも、桐生選手が日本人初となる9秒台を出した時も、会場は大盛り上がりでしたもんね。国内初の9秒台というものは、それほど人々にとって最高の出来事という事ですね!)
人類史上134人目の100m9秒台を、20歳と7日で達成したトルトゥ選手、今後の活躍が一気に期待されることになりました!
2019年、世界陸上ドーハ大会に男子100mで出場したトルトゥ選手は、順調に予選を勝ち上がり、迎えた準決勝。
10秒11でタイムで拾われるギリギリ2番目の選手となり、見事決勝進出を果たします!!
(準決勝同組のジャマイカのタイケンド・トレーシー選手と同タイム着差ありの末、決勝進出となりました)
迎えた決勝では、10秒07で7位に終わりましたが、2019年のシーズンベストでした。
男子4x100mではアンカーとして出場し、38秒11のイタリア新記録を出しますが、予選敗退をしてしまいます。
(この時の予選通過ボーダーラインは、アメリカの38秒03と大変高いレベルの大会となりました。)
オリンピック金メダル獲得!
2021年。
東京オリンピックで100mに進出したトルトゥ選手は、10秒16で準決勝敗退をしてしまいます。
そして迎えた4x100mリレー。
イタリアチームのアンカーとして起用されたトルトゥ選手。
皆さまご存じの通り、アンカーは各国のエースが集う区間ですが、トルトゥ選手の2021年のシーズンベストは自己ベストからほど遠い10秒10でした。
イタリアチームでは決勝の走順をかなり悩んでいましたが、長年イタリアのアンカーを務めてきたトルトゥ選手にアンカーを託しました。
そして、迎えた決勝の舞台。
イギリスのアンカー、ナサニエル・ミッチェル・ブレーク選手が決死で逃げる中、トルトゥ選手は猛追をみせ、
37秒50のタイムで見事金メダルに輝きました!!!👏
この時のトルトゥ選手のアンカーのラップタイムは、世界歴代8位となる8秒85で走りました! シーズンベスト10秒10を感じさせない素晴らしい走りを見せましたね!!!!
動画の9分46秒あたりを見ると、力んだ表情のイギリスのブレーク選手に比べ、トルトゥ選手はかなりリラックスした表情で走っています!
やはり、陸上競技では後ろから追いかけるほうが有利に働くのでしょうか。
男子100mで優勝した、同国のマルセル・ジェイコブズ選手に引き続き、短距離界にイタリア旋風を巻き起こしました🔥
その後のキャリア
2022年、世界陸上ユージーン大会で男子200mに出場したトルトゥ選手は、準決勝で20秒10の自己ベストをマークするも、惜しくも9位で準決勝敗退となりました。
(この時、ギリギリ8位で決勝進出を果たしたカナダのアーロン・ブラウン選手とは同タイム着差ありという結果に。スタートの反応時間や、フィニッシュ時のトルソー次第では、トルトゥ選手が決勝進出していたかもしれませんね。。。)
2023年世界陸上ブダペスト大会では200mに出場するも20秒46のタイムで予選敗退となってしまいました。
男子4x100mリレーでは、アンカーとして走り37秒62のタイムで銀メダルを獲得しました!👏
この年のトルトゥ選手の100mシーズンベストは、10秒24でしたので、またもやそれを感じさせない走りを見せました🔥
2024年パリオリンピックに男子200mに出場したトルトゥ選手は予選を20秒29で通過するも、準決勝は20秒54とタイムを落として敗退。
男子4x100mリレーでは、決勝に進出して安定のアンカーに起用。
37秒68という好タイムをマークしましたが、4位と惜しくもメダル獲得を逃しました。
この時、銀メダルを獲得した南アフリカのアンカーである、アカニ・シンビネ選手と銅メダルを獲得したイギリスのアンカーである、ザーネル・ヒューズ選手がアンカーの世界歴代3位となる8秒78をマーク。
さらに、金メダルを獲得したカナダのアンドレ・ドグラス選手もアンカーの世界歴代10位となる8秒89で走ったという、非常にレベルの高いレースとなりました。
2025年
9月、世界陸上東京大会で男子200mに出場したトルトゥ選手でしたが、20.49というタイムで組5着となり予選敗退となっています。なお、注目の男子4x100mリレーにトルトゥ選手が出場することが期待されていましたが、リレーメンバーとして起用されることはありませんでした。
Embed from Getty Images年次ベスト


近年では、どちらかというと100mよりも200mのほうが安定しているトルトゥ選手です。
その他の情報
●トルトゥ選手は、左腹あたりにサーディニア島の形のタトゥーを入れています。これは彼の父がサーディニア島出身であることに加え、トルトゥ選手自身はこれまでサーディニア島に住んだことがありませんが、自分自身のルーツを強く意識することができるから、という理由でタトゥーを入れているようです。
SNS
●Instagram
https://www.instagram.com/tortufil?utm_source=ig_web_button_share_sheet&igsh=ZDNlZDc0MzIxNw==
●X(Twitter)
https://x.com/FilippoTortu
●Facebook
https://www.facebook.com/TortuFil/
まとめ
Embed from Getty Images20歳にして9秒台をマークしたトルトゥ選手ですが、近年では個人での目立った成績は収めていません。
しかし、200mで安定して毎年20秒1台をマークしている事と、リレーのアンカーとして抜群の安定感を出していることから、今後もイタリア短距離チームの主力として活躍していきそうです。
トルトゥ選手の今後の活躍に期待したいです!
ここまで読んでいただきありがとうございました!
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