皆さんこんにちは、トンプソンです!
ウサインボルト選手が陸上を引退してから10年近くが経とうとしている今、陸上短距離界の構図は大きく変わりました。
絶対王者のノアライルズ選手、力をつけてきたレツィレテボゴ選手、新星のガウトガウト選手など様々な顔ぶれがいますが、今回は世界大会の決勝常連である
ジョセフ・ファンブレー選手
をご紹介します。
アメリカ育ちでリベリアにルーツを持つ彼がいかにして世界大会の常連選手になったか、その経歴を振り返っていきましょう!
プロフィール
●本名:ジョセフ・ブロワーデ・シアファ・ファンブレー(Joseph Blowadeh Siafa Fahnbulleh)
●国籍:アメリカ合衆国→リベリア(2021年より)
●生年月日:2001年9月11日
●身長:188cm
●自己ベスト:100m=9秒98、200m=19秒83
●主な実績:2024年アフリカ選手権100m、200m1位🥇🥇、2021年東京オリンピック男子200m5位、2024年パリオリンピック男子200m7位
ファンブレー選手のキャリア
幼少期
ファンブレー選手は、アメリカのミネソタ州でリベリア出身の両親の下生まれ育ちます。
彼の母はリベリアで育ちましたが、リベリア内戦の戦火を逃れるために12歳でアメリカへと渡りそれ以降はアメリカで育ちました。
※リベリア共和国という国の生い立ちは複雑で、少しかみ砕いてご説明すると大航海時代に奴隷としてアフリカ大陸からアメリカ大陸にやってきた黒人たちがいました。しかし、1863年に当時のアメリカ合衆国大統領であるエイブラハム・リンカーンが「奴隷解放宣言」を宣告すると、黒人奴隷たちは元々のルーツがあるアフリカ大陸へと帰還してリベリア共和国を建国しました。
なかなか政治が上手くいかず、内戦という悲劇を引き起こしましたが2025年現在では治安も安定している様子です。
ファンブレー選手の母のルーツがリベリアという事もあり、彼は2021年からリベリア代表として競技をすることになるのです。
高校時代
ファンブレー選手は地元ミネソタ州にあるホプキンス高校に進学し、本格的に陸上競技のキャリアを歩むことになります。
2018年、ナショナルジュニアオリンピック大会では100m3位、200mでは優勝を果たして、アメリカ国内で実績を積み上げていきます。
大学時代
2020年にアメリカの名門フロリダ大学(日本からはサニブラウン・アブデル・ハキーム選手、男子三段跳びのクリスチャン・テイラー選手、男子110mハードルの世界チャンピオンのグラント・ホロウェイ選手など、名だたる選手を輩出してきた名門大学です)に進学して大学の陸上キャリアをスタートさせます。
(名コーチであり、グラント・ホロウェイ選手の叔父でもあるマイク・ホロウェイ氏にスカウトされて進学しました)
同年は、新型コロナウィルスが世界中に猛威を振るった影響により、目立った成績は残せませんでした。
しかし、2021年からファンブレー選手は覚醒し始めます。
2021年
全米大学選手権(通称:NCAA)への出場権をかけた地区大会のSEC選手権男子200mにおいてファンブレー選手は20秒05のタイムで2着に入ります。🥈
同大会の男子100mにも出場しましたが、こちらは10秒11で5位という結果に終わりました。
そして迎えた全米学生選手権本番。
男子100mの決勝まで進出したファンブレー選手でしたが、この時はスタートの遅れを巻き返せず10秒21のタイムで7着に終わります。
しかし、同大会の男子200mでは驚きの走りをみせます!
なんと、19秒91の自己ベストを出して優勝を果たします!🥇
2着で当時ルイジアナ州立大学だったテレンス・レイアード選手が優勝候補筆頭でしたが最後の最後で彼をかわして優勝しました!
しかもファンブレー選手はこの時まだ大学1年生、NCAAの世界では大学1年生が優勝するという事はめったにありません!
勢いに乗ったファンブレー選手。
同年の東京オリンピックでは生まれ育ったアメリカではなくリベリア代表として出場することを決め、男子200mに出場をします。
さらに、ファンブレー選手はオリンピックの開会式でリベリア代表の旗手という名誉ある役割を担いました。
そして迎えたオリンピックの男子200mの舞台。
ファンブレー選手は準決勝で19秒99というリベリア新記録を打ち立てて(先ほどご紹介したNCAA優勝タイムの19秒91時点ではファンブレー選手はまだアメリカ国籍扱い)決勝にコマを進めました。
決勝では5着に終わりましたが、それでも19秒98というタイムでリベリア記録をさらに更新しました👏
2022年
順調な2021年シーズンを終えたファンブレー選手ですが、2022年も進化が止まりません!
昨年に引き続き、NCAAに出場したファンブレー選手は男子200mで19秒83という好タイムで優勝を果たし見事2連覇を達成します👏🥇
さらに、男子100mでも決勝に進んだ彼は、スタートから大きく出遅れたにもかかわらず後半に見事な伸びを見せて10秒00のタイムで優勝に二冠を達成します!👏🥇
これらの活躍が評価され、ファンブレー選手は大手スポーツメーカーであるアシックス(ASICS)とプロ契約を結ぶことになります!👏
まだまだファンブレー選手の活躍は終わりません!
同年にアメリカのオレゴン州で開催された世界陸上ユージーン大会の男子200mに出場したファンブレー選手は決勝まで駒を進めました。
メダルには届きませんでしたが、19秒84という自己ベストに迫るタイムを出して4位になりました。
2023年
ハンガリーの首都ブダペストで行われた世界陸上男子200mに出場した彼は、決勝まで駒を進めます。しかし、この時は決勝が9名で行われ(ジャマイカのアンドリュー・ハドソン選手が準決勝に向かう際に大会側の不手際で目を負傷し、準決勝では公平なレースができなかったとの申し出がありそれが認められ、ハドソン選手を含む9名が決勝レースに臨みました)ファンブレー選手は9着となり入賞を逃します。(9人で行われるレースでも入賞は8位までとのルールがあります。)
2024年
5月にバハマで行われた世界リレー選手権にリベリアチームのメンバーとして男子4x100mリレーに出場したファンブレー選手。
この大会は、同年に行われるパリオリンピックのリレー出場権をかけた大事な大会です。ここでファンブレー選手はアンカーを務め驚異的な追い上げを見せてリベリア代表をパリオリンピック出場に導きました👏
そして迎えたオリンピックの舞台
ファンブレー選手は200m個人でも出場をし、2大会連続で決勝進出を果たしましたが、7位に終わりました。
そして、出場権を獲得していた男子4x100mリレーでは、予選で38秒97のタイムで敗退しました。
しかし、2大会連続でオリンピックの個人で決勝の舞台に立ったファンブレー選手はその強さを世界に見せました。
2025年
9月、世界陸上東京大会の男子200mに出場したファンブレー選手。
シーズンベストが20,07という事もあり決勝進出が期待されていましたが、予選で20,73というシーズンベストから遠く離れたタイムを出して組6着で終えました。
年次ベスト


SNS
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●YouTube
https://youtube.com/@fahnbullet?si=cVxexCAlf-k93UoV
●X
まとめ
Embed from Getty Imagesまだまだ若手でキャリアが長いファンブレー選手。
世界にはライバルたちがたくさんいますが、すでに世界大会の常連となっているファンブレー選手は経験つんでいきこの先メダルを獲得できるのでしょうか?
今後のファンブレー選手の活躍に期待しましょう!
最後まで読んで頂きありがとうございました!
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